2026-05-16
中学受験
親子関係
小学生
家庭学習
親のかかわり方

「お友達と同じ公立に行きたい」と言われたら——その言葉の奥にあるものを聞いてみよう

BrainySprouts Prints 編集部

受験勉強が本格化する中で、子どもが「友達と同じ公立でいい。受験やめたい」と言ったとき、親はどう受け止めればいいのか。その言葉の奥にある不安・疲れ・納得感を整理し、聞き方を考えます。


「お友達と同じ公立に行きたい」と言われたら——その言葉の奥にあるものを聞いてみよう

子どもが「やめたい」と言ったとき、どう受け止めるか。その一言の意味を整理しながら、親にできる関わり方を考えます。

お友達と同じ公立に行きたいと言われたときの親子の対話

受験勉強が本格化してきたある日、子どもが突然こう言い出す。「○○ちゃんと同じ公立でいい。受験やめたい」——。驚いて、どう返したらいいかわからなかった、という保護者の声をよく聞きます。これは珍しいことではありません。塾通いが始まって数か月、疲れも出てくる時期に、ふとした瞬間に出てくる言葉です。

問題は、この一言にどう向き合うか、です。

その「やめたい」は、何を意味しているのか

「お友達と同じ公立に行きたい」という言葉には、実はいくつかの異なるメッセージが重なっていることがあります。整理してみると、大きく3つです。

1. 本当に友達との別れが怖い

小学生にとって、毎日一緒にいる友達と「中学から別れるかもしれない」という現実は、大人が思う以上に重くのしかかることがあります。特に仲の良い友達が受験をしない場合、「自分だけ違う道を行く」という孤独感が芽生えやすい。

2. 疲れているサイン

「友達と公立」という言葉の裏に、「もう休みたい」「しんどい」という気持ちが隠れているケースも少なくありません。直接「疲れた」とは言えなくて、出口として「やめたい」が出てくる。

3. なぜ受験するのか、腹落ちしていない

友達と過ごす日常の方が楽しく見えるとき、「なんで自分だけこんなに頑張らないといけないのか」という疑問が出てくることがあります。受験の目的が、子ども自身の言葉になっていないとき、この問いは出やすい。

どれがその子の「本音」なのかは、聞いてみなければわかりません。

やってしまいがちな反応

とっさに出やすいのが「でも、将来のためでしょ」「今だけ頑張れば」という言葉です。親としては本音で、間違ってもいない。ただ、子どもがそれを聞いて「そうだね、頑張ろう」とはなかなかなりません。

なぜか。子どもはまだ「将来」を実感として持てる年齢ではないからです。児童心理の観点からは、小学生は現在の感情・関係性・体験から世界を捉えており、論理的な説得より「今の気持ちをわかってもらえたか」の方がずっと大きく響くとされています(渡辺弥生, 2019)。

つまり、「やめたい」に対してすぐ「でも」を返すと、子どもの気持ちは置き去りになる。そこで会話が終わってしまいます。

じゃあ、どう聞くか

まず、決断を急がないことです。「やめる・続ける」の結論を出そうとするより先に、「そう思ったんだね」とひとつ受け取る。それだけで子どもの表情が変わることがあります。

そのうえで、こんな問いかけが有効です。

  • 「○○ちゃんと離れるのが嫌なの?それとも、勉強が嫌になってきた?」
  • 「最近、しんどいなって思うことある?」
  • 「もし受験しなかったら、何がいちばんよかったと思う?」

どれも、答えを誘導しない問いかけです。子ども自身が自分の気持ちを言葉にするための「入口」を作ることが目的です。教育カウンセリングの分野では、親が「聞き手」に徹することが、子どもの自己決定感を育てる上で重要とされています(国立教育政策研究所, 2022)。

「続けるか・やめるか」より先にすること

子どもが「やめたい」と言ったとき、それが本気かどうか、すぐには判断できません。だからこそ、その場で答えを出そうとしなくていい。「一緒に考えよう」という姿勢が、子どもにとっていちばん安心できる返答になります。

受験の結果がどうなるかはわかりません。でも「あのとき、ちゃんと話を聞いてもらえた」という記憶は、その後の親子関係に長く残ります。「やめたい」という言葉は、ピンチではなく、子どもが親に本音を話してくれたサインかもしれません。

受験期の子どもとの関わり方を整理するヒントとして、BrainySprouts Printsでは中学受験準備期の家庭学習に使えるプリント教材を無料で配布しています。よければあわせてご活用ください。


参考文献・出典

  • 渡辺弥生『子どもの「10歳の壁」とは何か?』光文社新書(2019年)
  • 国立教育政策研究所「子どもの自己決定力と家庭環境に関する調査」(2022年)
  • おおたとしまさ『勇者たちの中学受験』大和書房(2022年)
BrainySprouts Prints 編集部幼児・小学生向け知育アプリ・Webサービスの開発・運営チーム。保護者の声をもとに、家庭で使いやすい教材づくりを続けています。
学習でのおすすめアイテム
子供の科学 掲載 勉強タイマー
子供の科学 掲載 勉強タイマー

集中時間を見える化できる学習タイマー。家庭学習の習慣づけをサポートします。

お風呂で勉強 2枚セット たし算/ひき算 かけ算
【お風呂で勉強】2枚セット (①たし算/ひき算 ②かけ算)

お風呂に貼れる防水ポスターで、たし算・ひき算・かけ算を毎日自然に復習できます。

首都圏 中学受験案内 2027年度用
首都圏 中学受験案内 2027年度用

66年の歴史をもつ首都圏中高一貫校選びの決定版。私立・国立・公立中高一貫校約370校を収載。思考力の新評価基準「思考コード」も採用。

著者: 晶文社学校案内編集部
Amazonで見る
後悔しない中学受験100 親が知っておきたいこと、できること
後悔しない中学受験100 親が知っておきたいこと、できること

2万人超の受験生親子を合格へ導いたプロ講師が、塾選び・志望校・模試・直前期の親の関わり方まで100のヒントを紹介。

著者: 渋田 隆之
Amazonで見る
リンクはAmazonアソシエイトを利用しています。
このサイトについて

BrainySprouts Prints は、未就学児・小学生向けの学習プリントを無料で提供する教育サイトです。ひらがな・漢字・算数・英語・知育・入学準備など、家庭学習や教育現場で活用できるプリントを多数掲載しています。本サイトは、知育アプリ「BrainySprouts」を開発・運営する合同会社Brain Bloomが運営しており、アプリユーザーの声をもとに教材を企画・制作し、子育て中のエンジニアが中心となって品質管理を継続しています。すべてのプリントは、教育アプリ「BrainySprouts」で培った教材設計のノウハウをもとに企画・制作されています。

すべてのプリントは無料でダウンロード・印刷してご利用いただけます。今後、一部コンテンツは知育アプリ「BrainySprouts」のサブスクリプション会員向け特典として提供される場合があります。

当サイトは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

© Brain Bloom LLC. All rights reserved.

BrainySprouts Prints

Cookieの利用について

当ウェブサイトでは、より良いサービスをご提供するためにCookieを利用しています。 このままご利用を続けられる場合、Cookieの使用に同意いただいたものとみなされます。 詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。