山脈は“日本の天気の壁”だった!小学生の日本地理

BrainySprouts Prints 編集部

小学校の社会で学ぶ山脈・山地を、気候・雪・産業と結びつけて整理します。奥羽山脈、日本アルプス、中国山地など、日本の天気や暮らしを分ける“山の壁”に注目します。


地図で日本を見ると、真ん中に山がたくさんあります。

奥羽山脈。日本アルプス。中国山地。四国山地。九州山地。

名前だけ見ると、「覚えるのが大変そう」と感じるかもしれません。でも、山脈や山地は、ただの「高い場所」ではありません。実は、日本の山脈や山地は、天気を分ける大きな壁のような働きをしています。

山があると、風がぶつかります。風が山にぶつかると、雲ができやすくなります。雲ができると、雨や雪が降ります。そして、山を越えた反対側では、空気が乾いて晴れやすくなることもあります。

つまり、山脈を見ると、どこに雪が多いのか、どこが晴れやすいのか、どんな農業や産業が発展しやすいのかまで見えてきます。

今回は、小学生のうちに押さえておきたい主な山脈・山地を、「山脈は日本の天気の壁だった!」という視点で見ていきます。

山脈は、天気の“通せんぼ係”

まず、山脈と天気の関係をイメージしてみましょう。

海から湿った風が吹いてきます。その風が山にぶつかります。山をのぼる空気は冷やされて、雲をつくります。そして、雨や雪を降らせます。

ここで山脈は、風に向かってこう言っているようなものです。

ここを通るなら、雨か雪を置いていってね

その結果、山の風が当たる側では雨や雪が多くなります。反対側では、水分を落とした空気が流れてくるため、晴れやすくなることがあります。

山と風の関係起こりやすいこと地理で見るポイント
湿った風が山にぶつかる雲ができる山の風上側
空気が冷える雨や雪が降る多雨・豪雪地域
山を越えた空気が乾く晴れやすくなる少雨地域
山が続いている地域の気候が分かれる日本海側・太平洋側など

山脈や山地は、地図で位置を覚えるだけではなく、

山がある → 風がぶつかる → 雨や雪が変わる → 農業・交通・暮らしが変わる

という流れで見ると、ぐっとわかりやすくなります。

まずは、日本の主な山脈・山地を見てみよう

日本は、国土の多くが山地です。細長い日本列島の真ん中に、山脈や山地が背骨のように連なっています。だから、同じ日本の中でも、山のこちら側とあちら側で、天気や暮らしが大きく変わります。

山脈・山地主な場所関係する地域覚えたいポイント
奥羽山脈東北地方の中央部日本海側・太平洋側東北地方の雪や気候を分ける
日本アルプス中部地方長野・岐阜・富山・山梨など高い山が多く、雪・水・交通と関係
越後山脈新潟県・群馬県周辺新潟・群馬日本海側の豪雪と関係
中国山地中国地方の中央部山陰・山陽日本海側と瀬戸内海側を分ける
四国山地四国地方の中央部瀬戸内側・太平洋側高知県側に雨が多い
九州山地九州地方の中央部熊本・宮崎など九州の気候・農業・交通と関係

山脈は、ただの地図のギザギザではありません。天気を分け、雪を降らせ、水をため、道をさえぎり、ときには観光地にもなります。

奥羽山脈は、東北地方の“雪のスイッチ”

東北地方を南北に長くのびるのが、奥羽山脈です。奥羽山脈は、東北地方の中央部を走っていて、日本海側と太平洋側を分けるように連なっています。

冬になると、日本海側には冷たい季節風が吹いてきます。この風は、日本海をわたる間に水分をたっぷり含みます。そして、その湿った風が奥羽山脈にぶつかります。すると、日本海側で雪が降りやすくなります。

同じ東北地方でも、日本海側と太平洋側では冬の天気が違います。

地域冬の特徴山との関係
東北の日本海側雪が多い湿った季節風が奥羽山脈にぶつかる
東北の太平洋側晴れる日が比較的多い山を越えた風が乾きやすい

奥羽山脈は、まるで東北地方の真ん中にある大きな仕切りです。

奥羽山脈 → 東北地方を南北に走る → 日本海側と太平洋側の気候を分ける → 冬の雪の量に差が出る

雪が多い地域では、雪かきや交通の大変さがあります。でも、山に積もった雪は、春になると少しずつとけて川に流れこみます。その水は、田んぼや畑をうるおします。雪は「冬にためて、春に使う白い水の貯金」と考えることもできます。

日本アルプスは、日本の“高い屋根”

中部地方には、とても高い山々が連なっています。特に有名なのが、日本アルプスです。

日本アルプスは、次の3つに分けられます。

呼び方正式な山脈名主な場所
北アルプス飛騨山脈富山・長野・岐阜周辺
中央アルプス木曽山脈長野県周辺
南アルプス赤石山脈長野・山梨・静岡周辺

日本アルプスには高い山が多く、まるで日本列島の真ん中にある大きな屋根のようです。冬、日本海から来る湿った季節風は、中部地方の山々にもぶつかります。そのため、北陸地方や山沿いでは雪が多くなりやすいです。

高い山は、雪と水を生み出します。山に積もった雪は、春になると雪どけ水になります。その水は、川となって平野へ流れ、農業や生活を支えます。

また、日本アルプスのような高い山は、昔の人々にとって大きな交通の壁でした。今では、新幹線や高速道路、長いトンネルによって、山を越えて移動しやすくなっています。

日本アルプス → 高い山が多い → 雪・水・交通に影響 → 農業・観光・暮らしと関係

という流れで覚えましょう。

中国山地は、山陰と山陽を分ける“天気の境界線”

中国地方の中央部を東西にのびるのが、中国山地です。中国山地は、日本海側の山陰地方と、瀬戸内海側の山陽地方を分ける山地です。

山陰地方は、日本海側にあります。冬には日本海からの季節風の影響を受け、雪や雨が多くなることがあります。一方、山陽地方は瀬戸内海側にあります。中国山地と四国山地にはさまれているため、湿った風が入りにくく、比較的雨が少なく晴れの日が多い地域です。

地域場所気候の特徴
山陰地方中国山地の日本海側冬に雪や雨が多くなりやすい
山陽地方中国山地の瀬戸内海側雨が少なく、晴れの日が多い
瀬戸内地方中国山地と四国山地の間温暖で少雨の気候

瀬戸内地方は、中国山地と四国山地にはさまれています。この2つの山地が、湿った風をさえぎるような働きをするため、瀬戸内地方は雨が少なく、晴れの日が多い地域になりやすいです。

雨が少なく、温暖で、海上交通にも便利。そのため、瀬戸内海沿岸には工業が発達している地域もあります。また、日当たりのよさを生かして、みかんやオリーブなどの栽培と結びつけて学ぶこともあります。

四国山地は、雨を受け止める“南の壁”

四国の中央部を東西にのびるのが、四国山地です。四国山地は、瀬戸内海側と太平洋側の気候を分けています。

四国の太平洋側には、南から暖かく湿った空気が流れこみます。その空気が四国山地にぶつかると、雨が降りやすくなります。そのため、高知県などの太平洋側では雨が多くなることがあります。

一方、瀬戸内海側は比較的雨が少なく、晴れの日が多い地域です。

地域気候の特徴山との関係
四国の太平洋側雨が多い湿った空気が四国山地にぶつかる
四国の瀬戸内側雨が少なめ山地の風下側になりやすい

四国山地を覚えるときは、

四国山地 → 四国の中央部を走る → 太平洋側と瀬戸内側の気候を分ける → 高知県側は雨が多い

という流れで整理しましょう。

九州山地は、九州の“気候の分かれ道”

九州地方の中央部には、九州山地があります。九州山地は、熊本県・宮崎県などの内陸部に広がり、九州の気候や交通、人々の暮らしに関係しています。

九州の太平洋側には、南から暖かく湿った空気が流れこむことがあります。その空気が山地にぶつかると、雨が降りやすくなります。宮崎県や鹿児島県の一部では、温暖な気候を生かした農業が行われています。

九州は、山地だけでなく、火山、台地、平野なども多い地域です。それらを組み合わせて見ると、九州の地理がより立体的に見えてきます。

九州山地 → 九州の中央部 → 太平洋側の雨や温暖な気候 → 農業・林業・交通と関係

という流れで見ていきましょう。

山脈・山地は、産業にもかかわっている

山脈や山地は、天気だけでなく、産業にも関係しています。

「山があるから、雪が降る」「雪があるから、水がたまる」「水があるから、米づくりや発電に役立つ」「高い山があるから、観光やスキーができる」

このように、山は暮らしや産業にいろいろな影響を与えています。

山地・山脈との関係つながる産業・暮らし
雪どけ水が多い米づくり・水力発電東北・北陸など
高い山が多い観光・登山・スキー日本アルプス周辺
森林が多い林業山地の多い地域
雨が多い水資源・農業太平洋側の山地周辺
雨が少なく晴れやすい果樹・工業・都市瀬戸内地方など
山が交通の壁になるトンネル・峠・鉄道中部地方の山岳地域

山は、水をためる。森を育てる。風を止める。雪を降らせる。人の移動を難しくする。でも、観光地にもなる。山は、日本の暮らしを後ろから支える“地理の大黒柱”のような存在です。

地図で見つけてみよう:山脈を見る3つのコツ

地図帳を開いたら、山脈や山地をただ探すだけでなく、次の3つを見てみましょう。

1. 山のどちら側が海に近い?

日本海側か、太平洋側か、瀬戸内海側かを見てみましょう。どちらから湿った風が来やすいかを考えるヒントになります。

2. 山の近くに雪が多い地域はある?

雪が多い地域は、季節風や山地との関係があることが多いです。東北や北陸の山地を見ながら、冬の天気を考えてみましょう。

3. 道路や鉄道は山をどう越えている?

道路や鉄道は、山を避けることもあれば、トンネルで越えることもあります。交通ルートを見ると、山が人々の移動にどれだけ影響してきたかがわかります。

覚えておきたい山脈・山地まとめ

山脈・山地覚える流れ関連キーワード
奥羽山脈東北地方を南北に走る → 日本海側と太平洋側を分ける雪、季節風、米づくり
日本アルプス中部地方の高い山々 → 雪・水・交通に影響飛騨山脈、木曽山脈、赤石山脈
越後山脈日本海側の雪と関係 → 豪雪地帯新潟、雪どけ水、米づくり
中国山地山陰と山陽を分ける → 瀬戸内は雨が少ない山陰、山陽、瀬戸内工業地域
四国山地瀬戸内側と太平洋側を分ける → 高知側は雨が多い太平洋側、多雨、瀬戸内
九州山地九州の中央部 → 気候・農業・交通に影響宮崎、熊本、温暖な気候

親子でできる確認クイズ

記事を読んだあとに、親子でクイズを出し合ってみましょう。

Q1東北地方を南北に走り、日本海側と太平洋側の気候を分ける山脈は何ですか?

答えを見る
答え:奥羽山脈

Q2飛騨山脈・木曽山脈・赤石山脈をまとめて何と呼ぶことがありますか?

答えを見る
答え:日本アルプス

Q3中国地方で、山陰地方と山陽地方を分ける山地は何ですか?

答えを見る
答え:中国山地

Q4中国山地と四国山地にはさまれ、雨が少なく温暖な地域はどこですか?

答えを見る
答え:瀬戸内地方

Q5四国地方の中央部を走り、瀬戸内側と太平洋側の気候を分ける山地は何ですか?

答えを見る
答え:四国山地

Q6冬に日本海側で雪が多くなる原因のひとつは、湿った季節風が何にぶつかるからですか?

答えを見る
答え:山脈・山地

まとめ:山脈を見れば、天気と暮らしが見えてくる

山脈や山地は、ただ高い場所を表す地図上のギザギザではありません。

山脈は、風の流れを変えます。風が山にぶつかると、雨や雪が降りやすくなります。山を越えた反対側では、晴れやすくなることもあります。

だから、日本地理を学ぶときは、

山脈・山地 → 風の流れ → 雨・雪 → 農業・産業・交通・暮らし

という流れで見ることが大切です。

奥羽山脈なら、東北の日本海側と太平洋側の違い。日本アルプスなら、中部地方の雪・水・交通。中国山地なら、山陰と山陽、瀬戸内地方の少雨。四国山地なら、太平洋側の多雨と瀬戸内側の少雨。九州山地なら、九州の気候や農業との関係。

このように、山脈を入り口にして地図を見ると、日本の天気や暮らしの違いが見えてきます。

山脈は、日本の天気の壁。そして、雪・水・産業・交通をつなぐ大切なヒントです。親子で地図を広げながら、山脈・気候・産業のつながりを探してみてください。


参考資料

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