「なんで行けないの」と聞く前に知っておきたいこと——「学校に行けない日」シリーズ 第1回
4〜5月の朝、登校を渋る子どもを前に「なんで行けないの?」と言う前に知っておきたいこと。不登校の背景、親がやりがちなNG行動3つ、最初にできることを整理します。
朝、布団から出てこない子どもを前にして
「お腹が痛い」「なんか行きたくない」——4月、5月の朝、こんな言葉が出てくることがあります。熱もない、明らかな病気でもない。でも学校に行けない。
「なんで行けないの?」「みんな行ってるよ」「昨日は元気だったじゃない」——親としてはそう言いたくなる気持ち、よくわかります。でも、その一言が子どもの心をさらに閉じてしまうことがあります。

「行けない」は心のSOSかもしれない
不登校は単なる「問題」や「異常」ではありません。子どもが出している心のSOSのサインだと考えることがとても大切です。こうした「背景」に気づかず「なんで行けないの?」と責めてしまうと、子どもはますます心を閉ざしてしまいます※1。
特に4月末〜5月は、新学年・新しいクラスの緊張や疲れが一気に出やすい時期です。新しい環境に適応しようと頑張ってきた子どもが、ちょうどこの時期に糸が切れたように動けなくなることは珍しくありません。
「病気じゃないのに行けない」は、怠けでも甘えでもなく、子どもなりに精一杯頑張ってきた結果である場合がほとんどです。
親がやってしまいがちな、3つのNG
① 「なんで行けないの?」と原因を追及する
原因がわかれば解決できると思うのは自然なことです。でも原因の追究はある程度にとどめておくことが大切です。「次の一歩に向けて前向きになること」を意識し、原因の追究より気持ちに寄り添う姿勢が、子どもの心理が変わることにつながります※2。
② 「みんな行ってるよ」と比べる
他の子と比べられると、子どもは「自分はダメなんだ」という気持ちをさらに深めます。不登校の子どもは「学校を休みたいけれど、休むのはよくない。でも学校に行くのはつらい」という心理になりがちです※5。そこに比較が加わると、板挟みがさらに苦しくなります。
③ 親が自分を責めすぎる
「私の育て方が悪かったのかも」と保護者が自分を責めすぎるのもNGです。保護者が落ち込んでしまうと、その雰囲気を察した子どもも「自分のせいで親が苦しんでいる」と罪悪感を抱き、余計に追い詰められてしまいます※3。
じゃあ、最初に何をすればいいのか
まず大切なのは、「安心できる家」にすることです。
学校や勉強の話題は子どもが罪悪感を抱いてしまう場合もあるため注意が必要です。子どもが好きなことや得意なことなどポジティブな話題を心がけてください。「今日何が食べたい?」とか「最近ハマっていること」など、たわいもない雑談くらいで十分です※4。
勉強の遅れ、学校復帰のこと——それは後でいい。まず「この家にいれば安心だ」と子どもが感じられることが、回復への一番の近道です。
「休んでもいいよ」の一言が、思いのほか大切
言葉にして「学校を休んでも大丈夫」と伝えましょう。親が「休んでもいいよ」と伝えることで、気持ちが楽になったり、精神状態が安定したりします※5。
これは「ずっと休んでいい」ではありません。「今日のあなたの状態を、私は受け入れている」というメッセージです。
親に受け入れてもらえたと感じたとき、子どもは少しずつ自分のペースで回復していきます。「なんで行けないの」より「休んでもいいよ」——まずその一言から始めてみてください。
次回(第2回)は「学校に行けない日に、机に向かえた——それだけでいい」をお届けします。学びの遅れが気になり始めたとき、プレッシャーをかけずに学びを続けるためのヒントをまとめます。
参考文献
- ※1 松陰高校みなとみらい学習センター「不登校の子どもに親ができる対応とは?NG行動と成功例で徹底解説」https://www.minatomirai-gc.com/post/futoukou-oyanotaiou
- ※2 キズキ共育塾「不登校になる子どもの心理 親ができる対応を解説」https://kizuki.or.jp/blog/futoko/futoko-psychology/
- ※3 ツナグバ「子どもの不登校。親ができる5つの対応とやってはいけない6つのこと」https://www.shingaku-fs.jp/tsunaguba/column/about_truancy/futoukou-oyanotaiou
- ※4 ツナグバ「不登校の小学生の心理は?家での過ごし方や保護者の対応方法を解説」https://www.shingaku-fs.jp/tsunaguba/column/about_truancy/futoukou-syougakusei
- ※5 キズキ家学「不登校の心理|親ができる8つの行動」https://tokyo-yagaku.jp/column/futoko-child-psychology/
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